タデアイの生葉で染める

栽培したタデアイで染める

 

藍の生葉染では、花穂の出る直前に晴天と高温が続いた状況で最も高い色素濃度が得られるので、その時期を見計らって行うと良い結果が得られます。それまでに、肥料がしっかり効いた状態にしておくのも重要です。栽培のやり方は

 

● 刈り取り

地上から10cm位を残して刈り取った藍は、茎から分離した葉だけを染めに使用します。刈り取った株の根元に少量の肥料を振って覆土しておけば、再成長して1ヶ月程でまた染められます。
生葉中の藍色素(インディゴ)は、前段階物質であるインディカンとして存在しており、時間が経過して青く発色(酸化)したものは直接染めることができなくなるため、素早く染められるように分量を加減すると良いでしょう。また、染められる繊維は動物性(羊毛・絹など)のものに限られます。

 

● 染液を作る

被染物の同量~2倍量の生葉に水を足しジューサーにかけて濾し袋に入れて絞ります。濾した葉に再度水を足しジューサーにかけて絞ります。水の量は出来るだけ少ない方が染液が安定する(多すぎると酸化か早くなる)ので、被染物が浸るぎりぎりの量になるように加減します。

 

 

 

 

 

 

 

 

● 染める

出来上がった染液に被染物を10分~20分浸してから引き上げて絞り、空気中にさらして酸化(青く発色)させてから再度浸してから引き上げて絞り、空気中にさらして酸化させます。染色回数は2回で十分です。濃い色にしたい場合は、また新しく染液を作って染めます。染め上がったら水洗いして出来上がりです。

染液は短時間で酸化が進むのでジューサーの大きさに見合った葉量(数回に分けるなど)にします。一般的な家庭用ジューサーだと、一度に100g~200gが妥当です。欲張ると残念な結果になりますよ。

 

★ 生葉染のコツは、とにかく “刈り取ったら即染める”です。

 

追記:予め生葉を煮出してから後で生葉液を加える方法を山崎和樹氏(草木工房)が公開しています。この化学的な洞察に基づく画期的な技法により、今まで出来なかった大量の生葉染めが可能となりました。